今日は、あるクライアントが手術後に突然襲われた激痛との闘い、その中で見つけた解決策についてお話しします。このストーリーは、痛みと向き合うすべての方に役立つ情報を提供するものです。
クライアントの背景
このクライアントは、15年前に腰部脊柱管狭窄症の手術を受けました。2020年には2回目の手術も行い、これで痛みが和らぐと期待していたのですが、手術直後から左股部から大腿前面にかけて、これまで感じたことのない激痛に襲われました。この痛みは、1回目の手術で固定された第1~2腰椎に原因があると診断され、同部位の固定をはずし、第12胸椎から第1腰椎までの固定を行う3回目の手術を受けました。
しかし、3回目の手術でも激痛は消えず、痛みは日常生活を大きく妨げるものとなりました。ペインクリニックにも紹介されましたが、痛みの原因は不明であり、痛み止めを飲む日々が続きました。
当院での対応
この状況を見かねたご友人が「アイムズ」で施術を受けた経験から、「少しでも痛みが軽くならないか」と相談してくれました。2021年12月、私はこのクライアントの痛みと向き合うことになりました。
初診時、クライアントの状態は以下のようでした:
- 歩行や立位保持は膝をロッキング(反張膝)させることで可能
- 左脚のロッキングが特に強い
- 杖を1本使用
- 立位姿勢は体幹前傾で、背筋を伸ばすことが難しい
- 上肢の補助がなければ立ち上がることが不可能
- 大腿部の筋肉の萎縮が著しく、特に左側
- 左膝の伸展筋力の低下
- 左足関節の背屈制限
- 両足部のしびれ
- 背部全体の筋スパズムが著明
- 左股部~大腿前面の激痛(常に痛むが、1日に何度も激痛に襲われる)
- 睡眠不足を引き起こすほどの痛み
施術のプロセス
測定・検査の結果、痛みの原因として考えられるのは、脊椎から骨盤にかけての関節である可能性が高いと考えました。しかし、3度の手術によって下位胸椎から腰椎の多くが固定されていたため、調整可能な関節は限られていました。腰仙関節、肋椎関節、第2腰椎の椎間関節のみがターゲットとなりました。
まず、腰仙関節の調整を試みたところ、腰背部の筋スパズムが全体的に軽減しました。続いて肋椎関節を調整した結果、腰方形筋などのスパズムも軽減し、さらなる変化が見られました。最後に第2腰椎の椎間関節を慎重に調整し、わずかではありますが動きを確認できました。
この施術の結果、左股部~大腿前面の痛みが明らかに軽減し、クライアントの表情にも安堵の色が浮かびました。立ち上がりや歩行動作にも悪化は見られず、むしろ歩行時の体幹前傾や反張膝の程度が軽減しました。1週間後に再度ご来院いただくことをお伝えし、初回の施術を終えました。
施術後の変化
1週間後、再度確認を行ったところ、以下の変化が見られました:
- 1日のうち何度も襲っていた激痛の頻度が減少し、痛みの程度も軽減
- 痛みの範囲が狭くなり、左股部周囲だけに集中(大腿前面の痛みは消失)
- 腰背部の筋スパズムの軽減が維持
これらの結果から、術後に発生した痛みは、関節内運動の不具合による「関節内運動機能障害」の関与が強く示唆されました。その後も、継続して関節内運動機能障害へのアプローチを続け、現在では月1回の施術で維持可能なレベルにまで改善。左股部に存在していた激痛も頻度・程度・範囲の全てにおいて大きく改善されています。
結論
痛みの原因はさまざまであり、このクライアントのように関節の動きに問題が生じて痛みが発生するケースもあります。原因が不明と言われても、諦めずにさまざまな角度から検討していくことが大切です。すべてが手術で解決するわけではありません。このブログが、あなたの痛みの原因を考えるきっかけになれば幸いです。
クライアントの笑顔を見るたびに、私も感謝の気持ちでいっぱいになります。関節ファシリテーション(SJF)の力に感謝しながら、これからも多くの方の痛みを軽減できるよう努めてまいります。
※施術効果には個人差があります
アイムズ(医科学研究所)は、健康情報の発信と共に、体のメンテナンスやコンディショニングのお手伝いをさせて頂いています。 情報を知りたい、体のメンテナンス・コンディショニングをしたいという方は、アイムズまでお気軽にお問い合せ下さい。 |
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